手根管症候群とは?──手のしびれや痛みが起こる仕組み

手首の中を通る「正中神経」とは
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)とは、手首の中にある「手根管」という狭いトンネル状の部分で神経が圧迫されることで起こる症状のことを指します。
この手根管の中には、指を動かすための腱(けん)と「正中神経」という大事な神経が通っています。
通常はこの神経がスムーズに働くことで、指先の感覚や手の動きが保たれています。
しかし、何らかの原因で手根管の中が狭くなると、神経が圧迫されてしびれや痛みが現れるといわれています(引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/carpal_tunnel_syndrome.html )。
しびれや痛みが出る理由
「しびれるのは指先だけなのに、原因は手首なの?」と不思議に思う方も多いかもしれません。
手首の真ん中あたりで圧迫された正中神経は、親指・人差し指・中指・薬指の一部に感覚を伝えています。
そのため、この神経が圧迫されると、それらの指に違和感が出るという仕組みです。
また、夜間や朝方にしびれが強くなるのも特徴で、寝ている間に手首を曲げた姿勢が続くことで血流が滞り、神経の圧迫が強まると言われています。
起こりやすい人の特徴
手根管症候群は、長時間手を使う仕事や家事をしている人に多い傾向があります。
たとえば、パソコン作業、料理、掃除、ピアノ演奏など、手首を繰り返し動かす動作が続くと腱のまわりに炎症が起きやすくなります。
さらに、妊娠中や更年期など、ホルモンバランスの変化で体内の水分が増える時期にも発症しやすいとされています。
このような状態では、手根管の中の圧力が上がり、神経が圧迫されやすくなるといわれています。
放置するとどうなるのか
軽い違和感の段階であれば、安静や姿勢の見直しで改善が見込めるケースもあります。
しかし、放置して神経の圧迫が続くと、親指の付け根の筋肉がやせてきたり、ボタンを留める・ペンを持つといった細かい動作がしづらくなることもあります。
そのため、しびれや痛みが続く場合は早めに専門家へ相談し、原因を確認することが大切だと言われています。
手首に優しい生活を意識することが大切
日常生活で手首に負担をかけない工夫も予防につながります。
スマートフォンを長時間持ち続けない、手首を曲げすぎない姿勢を心がける、こまめに手を休めるなど、小さな意識の積み重ねが神経への圧迫を防ぐ第一歩になります。
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手根管症候群でやってはいけない事──悪化を防ぐために避けたい習慣

強く揉む・叩く・無理に動かすのは逆効果
手のしびれや痛みがあると、つい「マッサージをすれば良くなるのでは?」と思いがちですよね。
しかし、手根管症候群の症状があるときに強く揉む・叩く・無理に動かす行為は逆効果になると言われています。
なぜなら、炎症が起きている状態で刺激を加えると、腫れや血流の滞りが悪化して、神経の圧迫が強まる可能性があるからです。
一時的に気持ちよくても、数時間後にしびれや痛みが増すケースもあります。
自己流のストレッチや指の引っ張り運動も同様で、正しいフォームで行わなければかえって悪化することがあるので注意が必要です。
サポーターを長時間つけっぱなしにしない
手根管症候群では、痛みをやわらげる目的でサポーターを使う人も多いですが、長時間つけっぱなしは避けた方が良いといわれています。
固定しすぎることで血流が滞り、筋肉が硬くなってしまうからです。
また、サポーターを外すと急に手がだるく感じることもあります。
サポーターは「夜間だけ」「作業中だけ」など、状況に合わせて使用するのが理想的です(引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/carpal_tunnel_syndrome.html )。
長時間のスマホやパソコン作業を控える
手首に負担をかける代表的な動作が、スマートフォンの操作やパソコン作業です。
特に、手首を反らせた状態でタイピングやフリック入力を続けると、手根管の中を通る腱や神経に過剰な圧力がかかるといわれています。
長時間の作業を避けることが難しい場合は、1時間に1度は手首を軽く回す・指を伸ばすなど、休憩を挟むことが大切です。
また、マウスやキーボードの位置を調整して、手首がまっすぐになるように意識しましょう。
冷やしすぎや温めすぎもNG
「痛みには冷やす」「こりには温める」とよく言われますが、手根管症候群の場合は冷やしすぎも温めすぎも良くないとされています。
急性の炎症がある場合は一時的な冷却が有効なこともありますが、慢性的な痛みやしびれには温めすぎが腫れを悪化させることがあります。
そのため、自己判断で冷温を繰り返すのではなく、専門家の指導のもとで行うことが望ましいです。
「放置する」のが一番やってはいけない
「時間が経てば治るかも」と放置するのも避けたい行為です。
神経の圧迫が長期間続くと、指の感覚が鈍くなったり、筋力低下につながるケースもあります。
早めに専門家へ相談し、状態に合った施術やケアを受けることが改善への近道と言われています。
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手根管症候群の主な原因──日常の中に潜む負担のサイン

手の使いすぎによる負担の蓄積
手根管症候群は、手首を使いすぎることで起こることが多いと言われています。
特に、パソコンやスマートフォンの操作、家事、ピアノなどの細かい動作を長時間続けると、手首にある「腱鞘(けんしょう)」が炎症を起こしやすくなります。
この炎症によって手根管の内部が腫れ、神経が圧迫されてしまうのです。
「最近スマホを長時間見ていたら、親指や人差し指がしびれる」といった声も多く、現代的な生活習慣が原因の一つとされています。
(引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/carpal_tunnel_syndrome.html )
ホルモンバランスの変化も関係している
意外かもしれませんが、女性ホルモンの変化も手根管症候群の一因といわれています。
妊娠中や更年期には、体内の水分バランスが変化して組織がむくみやすくなります。
その結果、手根管の中で圧力が上がり、神経が圧迫されやすくなるというメカニズムです。
このため、女性の発症率は男性より高い傾向があるとも言われています。
仕事やスポーツによる繰り返し動作
大工や調理師、美容師など、手を酷使する職業の人にも多く見られます。
日々の繰り返し動作によって腱に摩擦が生じ、それが慢性的な炎症につながるケースがあるといわれています。
また、テニスやバドミントンなどのラケットスポーツをする人も、手首をねじる動作で腱鞘炎を引き起こしやすい傾向があります。
こうした積み重ねが、神経を圧迫する原因になることがあります。
病気や体質が影響することも
糖尿病、リウマチ、甲状腺疾患など、代謝や炎症に関わる疾患がある人も発症しやすいと報告されています。
これらの病気では、手首周囲の組織にむくみや炎症が起きやすくなるため、神経圧迫のリスクが高まります。
また、遺伝的な体質として手根管がもともと狭い人もおり、少しの炎症でも症状が出やすいといわれています。
小さなサインを見逃さないことが大切
「手が少ししびれる」「朝方に感覚が鈍い」といった初期のサインを軽視せず、早めに対策を取ることが重要です。
生活習慣を見直し、手首を酷使しないように意識するだけでも悪化を防げるケースがあります。
症状が続く場合は、専門家による触診や検査を受けて、正確な原因を把握することがすすめられています。
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手根管症候群を悪化させない生活習慣──毎日の工夫が大切

手首の使い方を見直す
手根管症候群の悪化を防ぐには、まず手首に負担をかけない使い方を意識することが大切です。
たとえば、スマートフォンを長時間片手で持たない、パソコン作業中は手首を反らせない姿勢を心がけるなど、少しの工夫で圧迫を減らせます。
また、家事や育児で手を酷使している人は、作業の合間に手首を軽く回す・指を広げて伸ばすなど、リラックスさせる動作を取り入れると良いといわれています。
こうした習慣の積み重ねが、症状の進行を防ぐカギになります。
手首の角度を意識した姿勢
意外と見落としがちなのが、デスクワーク時の姿勢です。
手首が反ったままタイピングを続けると、手根管への圧力が高まります。
キーボードやマウスの位置を調整し、手首がまっすぐになるようにセッティングすることが重要です。
また、肘の高さを調整して、前腕と机の角度が水平になるようにすると、手首の負担を軽減できると言われています。
(引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/carpal_tunnel_syndrome.html )
睡眠中の姿勢にも注意
夜間に症状が強く出る人は、寝ている間の手首の曲がりが関係している可能性があります。
寝返りの際に手首が曲がった状態が続くと、神経が圧迫されてしびれが悪化すると言われています。
そのため、夜間は軽いサポーターで手首をまっすぐに保つ、あるいは枕の高さを調整して手の位置を安定させるなど、寝姿勢の工夫も効果的です。
冷え対策で血流を保つ
手首や指先が冷えると、血流が滞って神経の回復を妨げることがあります。
特に冬場や冷房の効いたオフィスでは、冷え対策がとても重要です。
温かいお湯で手を温めたり、軽いストレッチをすることで血流が促され、神経の圧迫をやわらげるサポートになると言われています。
ただし、温めすぎると炎症を悪化させる場合もあるため、温度には注意が必要です。
適度な休息とバランスの取れた生活
手首の酷使だけでなく、疲労やストレスの蓄積も症状を悪化させる要因とされています。
作業を続ける際は、1時間に1度は手を休める「休息タイム」を設けましょう。
また、睡眠不足や偏った食事も神経や血流に悪影響を与えることがあるため、生活全体のバランスを整えることが大切です。
「手首だけの問題」と捉えず、体全体の健康を見直すことが、改善への第一歩になると言われています。
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手根管症候群の予防法──発症を防ぐためにできること

日常の動作を見直すことから始めよう
手根管症候群を防ぐ第一歩は、手首に負担をかけない生活習慣を意識することです。
たとえば、家事やパソコン作業の際に「手首を反らせすぎていないか」「力を入れすぎていないか」を確認してみてください。
日常の中で何気なく行っている動作が、手首に負担を与えているケースは多いと言われています。
手首をまっすぐ保ち、作業の合間に軽くストレッチを取り入れるだけでも、手根管への圧迫を減らすことができると考えられています。
手首や指のストレッチを習慣にする
手首周りの柔軟性を高めることで、神経の圧迫を防ぐことができるといわれています。
おすすめなのは、手のひらを上にして反対の手で指をゆっくり反らせるストレッチや、指先を広げて軽く握る運動です。
これらを1日数回行うことで、筋肉の緊張が和らぎ、血流が改善されやすくなります。
ただし、痛みを感じる場合は無理に続けず、様子を見ながら行うことが大切です。
スマホやパソコンとの付き合い方を工夫する
長時間スマートフォンを使う人は、片手で持って親指を酷使することが多く、腱や神経への負担が大きくなると指摘されています。
また、パソコン作業では手首を浮かせた状態でのタイピングも手根管への圧力を高める原因になると言われています。
対策としては、スマホスタンドの活用や**リストレスト(手首の支え)**を使うことがおすすめです。
「ちょっとした工夫」で負担を減らす意識が、発症予防につながります。
手の冷えを防ぎ、血流を保つ
血流が悪くなると、手首の組織がむくみやすくなり、神経の圧迫リスクが高まるといわれています。
そのため、冷え対策も重要です。
冷たい水仕事をするときは手袋を使う、冷房の効いたオフィスではブランケットをかけるなど、手首を冷やさない工夫を意識しましょう。
また、湯船につかって体を温めることも血行促進に役立ちます。
早期発見と専門家への相談が鍵
軽いしびれや違和感を放置せず、早い段階で専門家に相談することが大切です。
手根管症候群は、初期であれば生活習慣の見直しや軽い施術で改善が期待できるといわれています。
逆に、長期間放置すると指の感覚が鈍くなることもあるため、早めの行動が重要です。
不安を感じたときは、整形外科や整骨院などで触診・検査を受け、正しい対処法を確認しましょう。
(引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/carpal_tunnel_syndrome.html )
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